ビジネスシーンでは、書類の受け渡しなどによく使われる封筒。会社やお店のロゴやアドレスが入った“マイ封筒”を印刷して常備している方も多いのではないでしょうか。
でも、いざ「わが社の専用封筒を作成しよう!」と思っても、「いったいどんなサイズの封筒があればいいの?」と悩んでしまう方も多いはず。
そこで、一般的に利用される封筒のサイズについてご紹介します。
●業務に必須なサイズは? 一般的な封筒サイズはこの3つ!
ビジネスシーンで最も使われている封筒サイズは、長3封筒、長4封筒、角2封筒です。
なぜ、この3種類なのでしょうか? それは、ビジネス文書に利用されることの多い用紙サイズに関係しています。
ビジネスで頻繁に使われる用紙サイズの代表格といえば、A4判(210mm×297mm)です。これは、世界各国で使われている国際規格のサイズです。
次いで使われることの多いのが、B5判(182mm×257mm)。これは江戸時代に広く流通していた美濃和紙の大きさを基準に作られた日本独自のサイズなんだとか。
このA4判とB5判の2種類は、その大きさの用紙が契約書や会議資料などの書類に使われるだけでなく、ノートやファイルなど、この大きさに基づいたオフィス用品も多いサイズです。
そのため、業務で使う封筒のサイズは、A4判とB5判の大きさのものが入れられると便利、ということになります。
つまり、長3、長4、角2の3種類は、A4判とB5判に対応している封筒、というわけなのです。
●長3、長4、角2ってどんなサイズ?
では、長3封筒、長4封筒、角2封筒が、それぞれどのような封筒なのか見てみましょう。
☆長3封筒(読み方:ながさん)
A4判の用紙が三つ折りで入るサイズ。84円切手で送れる最大のサイズでもあります。書類を入れたとき、天地・左右に適度なゆとりがあるので、数枚重ねて厚みがあっても出し入れしやすく、ハサミで封を開けるときに誤って書類まで切ってしまう心配が少ないのも好まれるポイントです。
☆長4封筒(読み方:ながよん)
B5判の用紙を三つ折りで入れられます。手書きの伝票のような小さめの書類を入れたり、長3封筒に同封する返信用封筒に使ったりするのに便利なサイズです。
☆角2封筒(読み方:かくに)
A4判の書類を折らずに入れられるサイズ。履歴書や契約書などの折り曲げたくない書類や、厚みがあって折ることができないパンフレットなどに使われることが多い封筒です。書類の持ち運びや一時保管用としても便利です。
どれも、A4判とB5判の用紙の出し入れがしやすく、使い勝手が良いサイズの封筒であることが分かります。ビジネスシーンで好んで使われるのも頷けますね。
●用途に合わせ、さまざまなサイズの封筒が作られています
さて、ここまで一般的なサイズの封筒をご紹介しましたが、この他にも、さまざまな種類の封筒があります。
A4判の用紙に対応した封筒に限ってみても、用途に合わせて下記のような封筒が作られています。
☆窓付き封筒にするなら→A4三折封筒
三つ折りにしたA4判の用紙に対応しています。長3封筒に比べて天地・左右に余裕が少なく、中で書類が動きにくいので、窓付き封筒にしたときにズレにくいのが利点です。
☆四つ折りにして入れるなら→長40封筒
A4判の用紙を四つ折りにして入れられる、細長い形がスマートな印象の封筒です。長4封筒と同じ幅なので、三つ折りにしたB5判も入れることができます。
☆横向きに入れるなら→洋長3封筒
長3封筒と同じ形ですが、封入口が長い辺にあり、三つ折りにしたA4判用紙を横向きに入れられる封筒です。
このほかにもさまざまな形・サイズの封筒がありますから、封筒印刷を検討するときにはまず、「何を入れるのか」「どのようなシーンで使うのか」など、用途をよく検討しておくのが良さそうです。ご自身のニーズにぴったりの封筒を見つけて、オフィスの業務を効率よく進めてくださいね!
●長3は長形3号、角2は角形2号。“長形”、“角形”とは?
ところで、封筒のサイズを表す「長3」や「角2」という名称ですが、実はこれらは略称で、正式には「長形3号」、「角形2号」といいます。
JIS(日本工業規格)では封筒の規格を「長形・角形・洋形」の3タイプで表示しています。(その他にも窓枠の有無や用途などで規定が設けられています。)
「長形」、「角形」というのは、文字通り、封筒の“形”がどのようなものであるかを表しています。それぞれについて見てみましょう。
☆長形
“ちょうけい”ではなく、“なががた”と読みます。縦の長さが横の長さの2倍程度のあるもののことで、細長い形の封筒になります。紙を折ってコンパクトに封入するのに適した形です。
☆角形
読み方は“かくがた”。縦の長さが横の長さの2倍より短いもののことをいいます。正方形に近い形をしているのが特徴で、紙を折らずに入れるのに向いている封筒です。
形を指す言葉には、他に「洋形」もあります。
☆洋形
読み方は“ようがた”です。「ようけい」と読む人も多いようです。もともとは海外で使用されていた横向きの封筒のこと。封入口が長形では短い辺についているのに対し、洋形では長い辺についています。見栄えが良いので、案内状やダイレクトメールの送付に好まれる封筒です。
当店で扱う「洋長3封筒」は、JISに基づいた呼び方ではなく、封筒製造業者によるサイズ呼称となっています。(このようにサイズ呼称で呼ばれる封筒も数多くあります。)
洋長3封筒のサイズは120×235mmです。「洋形」で表すと、実は「洋形0号封筒」のことなのです。
同様に、「長」や「角」の後に続く数字は「2号」、「3号」という大きさを示す号数になっています。長形の封筒であれば、大きい順に長1、長2、長3、長4となります。
「長形4号」と「長型4号」は同じ封筒です
長形の封筒は時々「長型封筒」とも呼ばれています。
以前、お客様から「長型4号封筒を用意するよう言われたのですが、長型4号と長形4号は同じものですか?」とご質問いただいたことがあります。
当店で取り扱っている「長4封筒」と「長形4号」、「長型4号」は同じ封筒です。
人によって、または企業によって、言い方や書き方、表示が 違う場合があるのですが、これらは全て同じものです。
紛らわしいため、封筒にあまり詳しくないお客様から見ると 「違うものかな?」と思われてしまうようです。
●84円切手で郵送できる封筒はどれ? 定形郵便・定形外郵便とは?
封筒のサイズは、郵便料金にも深く関わってきます。的確なサイズの封筒を使うことは、通信費の削減にもなるので注意したいところです。
郵便物には「定形郵便物」と「定形外郵便物」の2種類があり、84円切手を貼ってお安く送るためには、このうちの定形郵便物でなければなりません。
定形郵便は、長さ14~23.5cm、幅9~12cm、厚さ1cm以内と定められており、重さが25gまでであれば84円、50g以内であれば94円で送ることができます。
それぞれに該当する封筒サイズを一覧にしたものが下記の表です。
※ここでは、定形外郵便物のうち、規格外のサイズ(重量が1kgを超える)を省略しています。
定形郵便の最大サイズである長3封筒をはじめ、長形封筒のほとんどは定形郵便で送付可能であることが分かります。
ちなみに、長3封筒を84円で送付する場合、封筒や中の用紙に使われている紙の種類によっても異なりますが、A4判の用紙を4枚程度入れることができます。
なお、角2封筒をはじめとする角形封筒のほとんどは定形外郵便となり、重さによって料金が細分化されていますのでご注意くださいね。
※定形・定形外の郵便物の料金などについては、「定形封筒と定形外封筒の違い・サイズ・料金」の記事(こちら)も合わせてご確認ください。
●まとめ
この記事のポイントを今一度おさらいすると・・・
・ビジネスシーンでよく使われるサイズは、長3封筒、長4封筒、角2封筒
・A4判とB5判の用紙を入れやすい封筒が便利
・サイズによって郵便料金が変わるので要チェック
中に入れる書類の大きさや量などに適切なサイズの封筒を選ぶと、見た目にもスマートです。用途を意識したサイズ選びを心がけて、使い勝手の良い専用封筒を作成してくださいね!